表現の世界だけは。
二日ほど前に、インターネットを開くと、最初に出てくるYahooのニュースのトピックスに、こんな見出しが。
「喫煙シーンに批判 作り手苦慮」
この夏に公開された「風立ちぬ」でも、話題になりましたね。
未成年者の喫煙を助長するとか、現代の健康志向への強い気持ちもあるようです。
しかも、喫煙者が吸うほうのたばこの煙より、火をつけたたばこの先から出る「副流煙」のほうが体に悪いことが判明しているから、そりゃもう大変だ。
そのうち、たばこの煙を吹きかけられただけで、傷害罪になるような世の中にならないかしら。
・・さすがに大げさなこと言いました。
しかし、映画やドラマ、物語の中でのシーンまで、こんな、ニュースになるほど批判的になるのはどうかと、わたしは思っています。
それは大人の喫煙シーンであって、いくら物語の中でも、未成年者の喫煙してるシーンがあるというのは駄目ですが。
確かに、映画やドラマや漫画って、影響力はすごい。
単純に、喫煙シーンを見たから興味を持った。という理由もあると思う。
憧れの俳優さんやかっこいい漫画の登場人物。駄目とわかっていても、ちょっとその人になってみたくて、手を出してしまう・・ということもありうると思います。
でも、お話を作るのに、それじゃ余りに味気無いなと、思ってしまうんです。
ラーメンが大好物・運動音痴・おばあちゃん子だ・鉄道マニア・高校時代に甲子園出場経験がある・猫アレルギー・・・・などなど、登場人物の性格設定が、お話の中で意味を持って出てくるかどうかは別ですが、こんな風に登場人物ってかなり細かく設定がある場合もあります。
出てこようがこまいが、そういうのが結構大事なんです。
そういう人いる!と、思ってもらうことも大事だし、如何に登場人物が視聴者に共感を持ってもらえるか。ということもすごく大事。
そうなると、その「共感」のせいで「未成年者の喫煙の助長する」というところにいってしまうんですけど。
その「共感」が、決してたばこでなきゃいけないということもありません。
しかしです。
小学校くらいの子でも「たばこは二十歳にならないと吸ってはいけない」と、知っているくらいです。
そうなると、そりゃあ・・喫煙シーンがある作品が切欠だとしても、悪いと分かってて吸う、その未成年者が一番悪いんです。
そういうことをしないように、大人が子どもを見ていることも大事なんだと思います。
子ども向けの絵本やお話にありませんでしたか?
髭をたくわえたおじいちゃんやお父さんが、パイプを吸うシーン。
あったかい暖炉の前。ゆっくりゆれる椅子。新聞を読んでて、新聞越しにパイプから出たドーナツみたいな煙が見える。
そんなゆったりした空間に、主人公の子どもが、しょげて帰ってきて、おじいちゃんに相談する。
話をひととおり聞いて、おじいちゃんが宙を見ながらパイプを吸って、ふぅーと吐いて、子どもを諭したり、いい方法を教えてあげたりする。
・・そういうシーンすら、駄目だって言われてるのかしら。
パイプは身近じゃないから、意外とアリだったら・・それはそれで複雑だ。
「はだしのゲン」騒動もありました。
過激な表現もあるので、子どもによくないんじゃないかと。
どんな作品も、どんな影響を与えるのかどうか、考えることはとてもいいことです。
でも、過敏になってないかなと、ここ数年、かんじています。
作品のことではないですが、もう少し前には、社交ダンス教室が、風俗営業法にひっかかる恐れがある!・・なんていう報道もありました。
「男女が公然で密着した状態にある」とかなんとか。
それはもう考えすぎです。
たばこから、話が逸れてしまいましたね。
喫煙シーンだけじゃない、それ以外の表現についても、この先、批判があるかもしれません。
でも、映像から喫煙シーンが100%無くなったからって、現実の、未成年者の喫煙が全部無くなるかというと・・それは違うことだと思います。
上記のように、大人が子どもを見ていることが大事。
ただ映画を見た。ただドラマを見た。はい、終わり。・・そういうんじゃなく、どう感じたか、話してみることも重要だと思います。
例えば「風立ちぬ」だったら、めっちゃ喫煙シーンがあったんですが。
「このお話の時代だからよかっただけで、いまは決まりがあるから、吸ったら駄目」って、教えれば、それで子どもはわかってくれると思うんです。
だからこそ、「この作品の中だけのことだ」と、喫煙シーンも、そんなに躍起になって、批判するのをやめてもらえたらと、わたしは思います。
余談ですが。
今日、このブログ書いてて、「たばこ」って入力を何回もやりましたが、変換の候補に、
この人→(-。-)y-゜゜゜
と、
この人→(^。^)y-.。o○
が、出てくるんですけど(苦笑)
喫煙の顔文字作ってるやん。
これ・・結構楽しんでません?
喫煙シーンの批判する前に、まずこの顔文字を抹消しようよ!
って、思った!!